自然保育とカリキュラム保育

🌷子育て・保育への思い

〜二つの園で働いて、私がたどり着いた答え〜

保育の仕事をしていると、

「自然保育がいい。」
「しっかりしたカリキュラムのある園がいい。」

そんな話を耳にすることがあります。

私はありがたいことに、その両方を経験してきました。

だからこそ、今思うことがあります。

どちらにも良さがあり、どちらにも意味がある。

そして、

どちらが正解なのかは、誰にもわからない。

初めて勤めた園

私が初めて勤めた園は、

自然との関わりをとても大切にする園でした。

決められたカリキュラムはほとんどありません。

その日、その時、子どもたちが興味をもったことを

保育へと広げていく。

子どもの「なんで?」「やってみたい!」という気持ちを

大切にしながら、

一人ひとりの思いを引き出し、

それを全体への共通の話題として取り上げる保育でした。

今でも忘れられない場面があります。

一匹のダンゴムシを見つけた子どもたち。

「どこに行くのかな?」

「お散歩かな?」

「お家に帰るのかな?」

「家族が待ってるのかもしれないね。」

みんなが真剣な顔で話し合っていました。

またある冬の日。

葉っぱが落ちた木を見上げながら、

「なんだか寂しそうだね。」

という子がいました。

すると別の子が、

「早く葉っぱが落ちたいのかな。」と言い、

さらに別の子が、

「違うよ。葉っぱは木が寂しくないように、

最後までそばにいてあげたいんじゃない?」

と言いました。

正解なんてありません。

でも、子どもたちは目に見えない相手の気持ちを

一生懸命想像していました。

そして友達の話を聞き、

そうか、そういう考えもあるなと認め合う。

私は、その豊かな心に何度も感動しました。

虫に触れることも、経験

その園では、

虫を見つけると子どもたちはすぐに手に取ります。

夢中で観察し、遊びます。

時には力が強すぎて、虫が死んでしまうこともありました。

子どもたちは悲しそうに言います。

「そんなつもりじゃなかった。」

「強く持ちすぎたのかな。」

その経験から、

「今度はもっと優しく持ってみよう。」

という気持ちが生まれます。

虫のお家を作ってあげたり、弱ってきた虫を見て、

「やっぱり逃がしてあげよう。」

と考えたりもします。

どれも、実際に触れ、関わったからこそ得られる経験でした。

今の園

今勤めている園は、その頃とは正反対です。

一日の流れや年間のカリキュラムがしっかり決まっています。

でも、それは決して保育者だけが進める保育ではありません。

同じ活動でも、

どうすれば子どもの気持ちが乗るだろう。

どうすれば「やりたい!」と思えるだろう。

その工夫こそが保育者の腕の見せどころです。

子どもの心を置き去りにして進める保育ではありません。

様々な活動が経験できるということも、

保護者にとっては魅力の一つだと思います。

ただ違うのは、そのカリキュラムには、

自然と触れ合う時間はありません。

ここにも優しさがある

今の園で虫を見つけた子どもたちは、

「かわいそうだから触らないよ。」

「ここがお家だから、そのままにしてあげよう。」

と言います。

そこにも、命を大切に思う優しさがあります。

前の園では、触れて学ぶ優しさ。

今の園では、見守る優しさ。

どちらも、本物の優しさです。

どちらが正解?

自然保育がいいのでしょうか。

カリキュラム保育がいいのでしょうか。

虫に触れる方がいいのでしょうか。

触らない方がいいのでしょうか。

私は、答えはないと思っています。

触れることでしか学べないことがあります。

触れないことで育つ思いやりもあります。

だから、「どちらが正しい」とは言えません。

私が大切にしたいこと

二つの園で働いたからこそ、

私の中ではっきりしたことがあります。

それは、

子どもの心が動く瞬間を見逃さないこと。

ダンゴムシを見て想像を膨らませる時間。

冬の木を見て気持ちを考える時間。

虫の命に触れ、悲しみや後悔を知る時間。

「かわいそうだから、このままにしてあげよう。」

そんな優しさに気づく時間。

どれも、子どもの心を育てる大切な時間です。

だから私は、自然保育か、カリキュラム保育か。

そんなことよりも、子どもの心が今、何を感じているのか。

そこを大切にしたいと思っています。

最後に

保育に正解はありません。

子育てにも正解がないように、

保育にも「これが一番」という答えはないと思っています。

だから私は、正解を探すことよりも、

選んだ保育に責任を持つこと。

それを大切にしています。

子どもの姿をよく見て、その子の心に寄り添い、

「今、この子に必要なことは何だろう。」

そう考え続けること。

それが、私が保育者として一番大切にしたいことです。

保育に正解はない。でも、子どもの心が動いた瞬間は

本物だと確信しています。

だからこそ、子どもたちの心が動く瞬間を、

一つひとつ大切に積み重ねていきたいと思っています。

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