―それって本当?長年保育の現場に立って今思うこと―
学生時代、「幼児期の経験が人間形成の土台をつくる」という言葉に感銘を受けました。
「人生の土台をつくる仕事なんだ。」
そう思い、この仕事に就きたいと強く願いました。
でも、20年働いた今でも、私はその答え合わせができません。
目の前の子どもたちが、大人になったとき、どんな人生を歩むのか。
私がかけた一言や、一緒に笑った時間が、その子の人生にどれほど影響を与えたのか。
それを知ることは、ほとんどありません。
子どもの人生は、その後に出会う人や環境、経験によって大きく変わっていきます。
だから時々、不安になります。
「今日の私の関わりには、本当に意味があったのだろうか。」
「私は、この子のためになれているのだろうか。」
そんな答えのない問いを抱えながら、保育者は毎日、子どもたちの前に立っています。
それでも私は、信じたい。
幼児期に受けた温かいまなざしや、安心できる居場所、一緒に笑った時間は、きっとその子の心のどこかに残ると。
すぐに結果は見えなくても、答え合わせができなくても、子どもの未来を信じて関わり続けること。
それが、保育という仕事なのだと思っています。
保育とは、答え合わせのできない仕事。だからこそ、子どもの可能性を信じ続ける仕事。
でも、この「答え合わせができない」ということは、保育だけではありません。
子育ても同じではないでしょうか。
「あの時の声かけは正しかったのかな。」
「もっと違う関わり方があったんじゃないかな。」
子どもを思えば思うほど、不安になることがあります。
でも、その時に出した答えが正しかったのかどうかは、その場では誰にも分かりません。
保育も子育ても、未来になって初めて意味を持つことがある。
だからこそ、私たちは目の前の子どもを信じ、自分の関わりを信じて積み重ねていくしかないのだと思います。
私は、これからもその「見えない力」を信じて、子どもたちと向き合っていきたいと思います。

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