見られるのは嫌だった。でも、見ることはこんなに面白かった

🌷子育て・保育への思い

以前勤めていた園では、「園内研究会」がありました。

月に一度、外部の講師の先生が保育を見に来て、声かけや環境構成などについて指導してくださいます。

もちろん、とても勉強になりました。

自分では気づかなかったことを教えてもらえるし、保育者として成長するための大切な機会でした。

でも、正直に言うと……

その日が、すごく嫌でした。

ものすごくプレッシャーだったんです。

子どもたちも、いつもとは少し違う雰囲気になる。

自分自身も緊張する。

そして心のどこかで、

「たった数分見ただけの先生に、なんで言われないといけないの?」

と思っていたのも事実です。

数年に一度の公開保育も、本当に嫌でした。

いろいろな園の先生たちに保育を見られ、その後には批評会。

「見られたくない」

「何を言われるんだろう」

そんな気持ちでいっぱいでした。

でも、あるとき気づいたんです。

「じゃあ、自分が他の園の保育を見に行ったときはどうだった?」

答えは、ものすごく勉強になった。

「こんな園もあるんだ!」

「こんな環境構成にしているんだ!」

「こんな声かけをするんだ!」

知らない先生の保育は、全部が新鮮でした。

「これ、やってみたい」

と思うこともあれば、

「私はこうはしないな」

と思うこともある。

でも、それも学びでした。

誰かの保育を見ることで、自分の保育を客観的に見直すことができたんです。


今の園には、以前のような園内研究会や公開保育はありません。

幼稚園で担任をしていると、自分のクラスの保育で一日が終わります。

他の先生の普段の保育を見る機会は、ほとんどありません。

ずっとこの園で働いている先生の中には、学生時代の実習以外で他の園を見たことがない先生もいます。

「見てみたい」と思っても、自分のクラスを置いて他の先生の保育を見に行くことは、簡単にはできません。

だから私は、若い先生たちにいつも、

「いつでも覗きに来てね」

と伝えています。

もちろん、来づらいのもわかっています。

「今、忙しいかな」

「邪魔かな」

「見に行ったら嫌な顔されないかな」

きっといろいろ考えると思います。

でも、そこはもう少し堂々としていい。

「先生の保育、ちょっと見せてもらっていいですか?」

って。

たった数分でもいい。

一つの声かけを聞くだけでもいい。

「この言葉、使ってみよう」

と思うものを一つ持ち帰るだけでもいい。

そして私は、これは若い先生だけの話ではないと思っています。

ベテランの先生も、若い先生の保育を見てほしい。

若い先生だからこそ持っている感覚や、新しい考え方があります。

今まで当たり前だと思っていたことに、

「どうしてだろう?」

と疑問を持っているかもしれません。

そんな姿を見ることで、ベテランの先生自身が自分の保育を見直すきっかけになることもあると思います。

長く保育をしていると、良くも悪くも「いつものやり方」ができてきます。

経験はもちろん大切。

でも、経験があるからこそ、

自分の保育を見直す機会も必要なんじゃないでしょうか。


私は今でも、自分の保育を見られるのは嫌です。

緊張するし、評価されるのは怖い。

でも、誰かの保育を見ることで得られるものの大きさも知っています。

だからこそ、若い先生には伝えたい。

「見たい」と思ったら、見に行っていいよ。

そして、見に来てくれた先生を、嫌な顔で迎える先生にはなりたくない。

「何か参考になった?」

「こんなところも見てみて」

そんなふうに言える先生でいたいと思います。

保育を見に行くことは、誰かの保育を評価するためではありません。

「こんな方法があるんだ」

「この声かけ、素敵だな」

「私はこうしてみよう」

そんな小さな発見を持ち帰るため。

そして、自分の保育をもう一度考えるため。

保育は、一人で完成させるものではないと思います。

いろんな先生の保育を見て、真似して、考えて、

「私はこうしたい」

と、自分の保育をつくっていく。

それは若い先生だけじゃない。

何年保育をしていても、誰かの保育から学べることはある。

たった5分でもいい。

一つの声かけでもいい。

もっと気軽に、お互いの保育を覗ける園になったらいいなと思っています。

その小さな積み重ねが、

先生たちの成長にも、子どもたちのより良い保育にもつながっていくんじゃないかなと思います。

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