「全部食べさせる」が正解でも、「食べなくていい」が正解でもない。

🌷子育て・保育への思い

偏食についての考え方は、本当にさまざまです。

今と昔では考え方も違います。

家庭によっても違います。

先生によっても違います。

同じ家族の中でも、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、それぞれ考え方が違うこともあります。

だからこそ、給食について悩む保育者は少なくありません。

「家では食べないので、園では頑張って食べさせてほしい。」

という保護者もいれば、

「無理に食べさせないでください。」

という保護者もいます。

その中で、園には園の方針があり、集団生活として大切にしたいこともあります。

そして何より、子どもの気持ちも毎日違います。

昨日は食べられたものが、今日は食べたくない日もあります。

体調や気分によっても変わります。

だから、給食の時間は本当に難しいのです。


もちろん、給食の時間は楽しい時間であってほしい。

それが一番です。

でも私は、20年以上保育をしてきて、こんな姿もたくさん見てきました。

少しだけ勇気を出して、一口食べてみた子。

「食べられた!」

その瞬間、先生と一緒に喜び、自信に満ちた笑顔を見せてくれた子。

その小さな成功がきっかけで、

少しずつ食べられるものが増えていった子。

そんな成長も、たくさん見てきました。

だから私は、

「頑張ってみる経験」

にも、大きな意味があると思っています。


でも一方で、

給食が嫌だから幼稚園に行きたくない。

そんな思いを抱えてしまうことは、誰も望んでいません。

だから、

「全部食べさせる。」

も、

「嫌いなものは一切食べなくていい。」

も、

私はどちらも正解とは言い切れないと思うのです。


その子は、どんな性格なのか。

どんな言葉なら勇気が出るのか。

昨日はどうだったのか。

先月はどうだったのか。

先生は、毎日その子と過ごしています。

だからこそ、

「今日は一口頑張ってみよう。」

「今日は無理しなくてもいいね。」

そんな判断ができるのです。

それは、その日だけを見ていては分からないこと。

毎日の積み重ねがあるからこその判断です。


私は、給食の時間に一つの正解はないと思っています。

でも、どんな関わり方を選ぶとしても、

そこにあるのは、

「この子に成長してほしい。」

という願いであってほしい。

そして、

給食の時間が、

子どもにとっても先生にとっても、

意味のある温かい時間であってほしい。

私はそう願っています。

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