私も、昔は実習生でした。
そして今は、実習生を受け入れる側になりました。
さらに今、息子も実習生。
自分が実習をしていた頃と、
今の実習を見比べることが増えました。
そして、時代が変わったんだなぁと感じます。
私が実習生だった頃。
とにかく記録に追われていました。
実習が終わってから記録を書き、
睡眠時間を削って、
次の日の実習に向かう。
正直、実習そのものを楽しむ余裕なんて、ほとんどありませんでした。
「子どもと関わることが楽しい」
「保育ってこんなに素敵なんだ」
そんなことを感じるよりも、
ただ必死。
とにかく終わらせる。
そんな毎日だったように思います。
今の実習生を見ていると、
記録はずいぶん簡潔になりました。
内容も、私たちの頃と比べると薄く感じることもあります。
「こんなに簡単でいいの?」
と思うことも、正直あります。
中には、
「今の実習生は甘い」
と言う先生もいます。
私だって、
「私たちはもっと大変だった」
と言いたくなることがあります。
だって、本当に大変だったから。
でも、ふと考えます。
それを、今の実習生に経験させる必要があるのだろうか、と。
実習生に過度な負担をかけて、
実習そのものを嫌になってしまったら。
保育の世界から離れてしまったら。
それでは、私たちが伝えたいことから遠ざかってしまいます。
私が昔、必死になって書いた実習記録。
今でも残っています。
見返すと、
「私、あの頃ほんまに頑張ってたなぁ。」
と思います。
子どもたちにも、
「見て!ママ、すごない?」
なんて、自慢したくなるくらい。
あの記録を見ると、
あの頃の自分が頑張っていたことを誇りに思います。
そして、実習担当の先生からかけてもらった言葉も、
今になって、
「あの言葉はありがたかったなぁ。」
と思います。
だからといって、
「私たちはこんなに大変だったんだから、あなたたちも頑張りなさい」
とは思わないのです。
私たちが実習生に伝えたいのは、
実習の大変さではない。
仕事の過酷さでもない。
まして、
「昔はもっと大変だった」
ということでもない。
伝えたいのは、
保育の楽しさ。
子どもと関わることの喜び。
子どもの成長に立ち会えること。
自分の関わりが子どもの何かにつながったときの嬉しさ。
そして、
この仕事には、こんなにも大きな責任があるということ。
大変なこともある。
悩むこともある。
思うようにいかないこともある。
でも、それ以上に、
この仕事をしていてよかったと思える瞬間がある。
そのことを伝えることはできます。
今、息子も実習をしています。
私の仕事とは違いますが、実習のある学部に進みました。
そして、今の実習ではAIも存分に使っています。
記録も、
「そんなに簡単に終わるん?」
と思うくらい、あっという間に終わらせています。
正直、
心の中では、
「なんて甘い実習なんやろ。」
と思ってしまう自分もいます。
自分が経験してきた実習と比べてしまうからです。
でも、
それも時代の変化なんですよね。
私たちの頃にはなかったものを、
今の学生たちは当たり前のように使う。
それを「ずるい」と言うことは簡単です。
でも、大切なのはそこではないのかもしれません。
AIを使ったとしても、
実際にその場所へ行き、
人と関わり、
その仕事を体験する。
そこで、
「この仕事は大切だな。」
「こんなことを感じた。」
「こんなふうになりたい。」
そんなことを学んでいるのなら、
それもまた実習なのだと思います。
だから私は、
これから実習生を受け入れる側として、
「昔はこうだった」ではなく、
「今、何を伝えたいのか」
を大切にしたいと思っています。
記録の書き方を教える。
実習のルールを教える。
もちろん、それも大切。
でも、それだけではない。
保育って、楽しいよ。
子どもって、こんなに面白いよ。
この仕事には、こんなにやりがいがあるよ。
あなたの関わりが、子どもの人生の一部になるんだよ。
そして、
だからこそ、大きな責任がある仕事なんだよ。
そんなことを伝えたい。
私たちが大変だったからといって、
次の世代にも同じ大変さを経験させる必要はありません。
私たちが経験した苦労は、
「苦労させるため」にあるのではなく、
次の世代により良い形で何かを渡すためにあるのだと思います。
私自身、実習生だった頃に先生からもらった言葉を、
今でも覚えています。
今度は私が、
次の実習生に言葉を渡す番です。
そしていつか、
今の実習生たちが現場に立ったとき、
「あの先生に教えてもらってよかった」
と思ってもらえたら嬉しい。
昔はこうだった。
それを伝えるだけではなく、
これからの先生たちに、私たちは何を伝えたいのか。
私は、
大変さではなく、
保育の楽しさ、やりがい、誇り、そして責任。
それを伝えられる先生でありたいと思っています。
そして、
「保育っていい仕事だよ。」
そう思って、実習を終えてもらえるような実習を作っていきたい。



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