📘絵本④「ありんこぐんだん」

子どもの頃、

「こぼしたらアリさん来るよ。」

そう言われたことがある人は、多いのではないでしょうか。

ジュースをこぼしたとき。

お菓子を落としたとき。

「ほら、アリさん来ちゃうよ。」

私も保育者になってから、親になってから、何度子どもたちにそう声をかけたか分かりません。

でも、ふと考えました。

実際に、こぼしてすぐアリが集まってくる場面を見たことってあるかな?

私は、ほとんどありません。

だからこそ、『ありんこぐんだん』は面白いのです。

子どもたちは、

「甘いものにはアリさんが来る。」

ということは知っています。

でも、その先の世界は見たことがありません。

その「見たことのない世界」を、

ユーモアたっぷりに、そして細かく描いてくれている。

だから子どもたちは夢中になるのだと思います。

「本当にこんなことしてるのかな?」

「アリさんってこんなふうに運ぶの?」

ページをめくるたびに、想像がどんどん広がります。

文字を読んで楽しむだけではありません。

絵をじっくり眺めるだけでも、何度でも楽しめる。

だから、

「もう一回!」

「もう一回!」

と、何度も持ってくる。

気がつけば、絵本は少しずつボロボロに。

でも私は、そのボロボロになった姿を見るたびに嬉しくなります。

絵本がボロボロになるのは、きっと子どもたちに、たくさん愛された証ですよね。


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